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バリトンからテノールへ転向した歌手のブログ。
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久方ぶりの敬愛する音楽家シリーズ

注目の第6回目はエディット・ピアフです。

1915年に生まれ、1963年に亡くなっています。


その短い人生は波乱万丈、悲劇の連続

壮絶な人生です。


しかも20世紀の人物でありながら

あまりの人生の壮絶さのため

事実とは違うと思われるような

伝説を人々に語らせ

しかも納得させてしまうような

そんな神がかり的な人物でもありました。


ピアフが生まれたのはパリのベルヴィルという

貧しい地区の路上でした。


というのが先ほどの所謂、「伝説」・・・


実際はちゃんと病院で生まれたようなのですが・・・

でも、路上で生まれたと言われたとしても

納得・・・

という感じです。


さて・・・


ピアフの母は歌手でカフェや道端で歌って生計を立てていました。

父は大道芸人でしたが軍隊へ入隊するため

ピアフを母親から引き離し

自分の母親、つまりピアフのおばあちゃんに

預けました。


ピアフのおばあちゃんは売春宿を経営しており

幼いピアフの回りには売春婦、彼女らに群がる男たちが

日常として存在していました。


その頃、ピアフは栄養状態の悪さからか

失明に近い状況まで目を悪くします。


ですが、ある時、目の見えないピアフを憐れみ

また我が子のように愛していた

売春婦の一人がピアフと

リジューのテレーズ(キリスト教の聖人)のところへ

巡礼に行くと

その視力が回復したそうです。(伝説)



ピアフの人生はとても敬虔深い人物の人生とは

言いがたいものがありますが

このとき以来、テレーズに対しては生涯厚い信仰を捧げました。


と、伝説的話題には事欠かないピアフの人生ですが

彼女の人生の中で最も重要な出会いは

ボクサーのマルセル・セルダンとの出会いです。

彼女は本当の愛を求め

数々の恋愛をしましたが

セルダンはそれを満たしてくれる唯一の人物だったようです。


セルダンは無私無欲の素晴らしい人物だったようで

ピアフは彼のことを

一種、神のように尊敬し慕っていました。


しかし、彼は飛行機事故で若くして亡くなってしまいます。


それはピアフに少しでも早く会うため

飛行機を予定より早め

その飛行機が墜落したという悲しい事故でした。


他にも彼女は

麻薬中毒、アルコール中毒も経験します。

しかも

彼女はそれらを全て克服します。


そしてどんなに辛いときも歌うことだけはやめませんでした。


まだまだ彼女については書いても書ききれないのですが

聴いていただきたいのは

彼女の人生の最後に近い時期

彼女が歌った

「水に流して(原題は私は何も後悔していないの意味)」です。


この様に壮絶な人生を送った彼女が


私は何も後悔していない

人にした良いことも悪いことも

代償を払い、忘れた

過去なんてどうでもいい

過去の恋の

苦しみも、喜びも清算した

私はまたゼロからスタートする

私の人生も、私の喜びも

今は、あなたといっしょに始まる

(橋本千恵子:訳 からの抜粋)


と力強く歌うときに心震わさずにはいられません。


では、お聴きください。
1961年の歌唱 http://www.youtube.com/watch?v=i_QABS88nDc
1962年の歌唱 http://www.youtube.com/watch?v=CqTLqRFKjAU


明日からはシネツインで映画「エディット・ピアフ」の公開です。

是非、ご覧ください。


下の写真はピアフとセルダンのツーショットです。

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コメント
感動
これを読んで映画を観に行くといいですね。
ちょっと読みながら単純な私はウルウル
(直ぐに感情移入する)ときてしまいました。
【2007/09/28 22:38】 NAME[haco] WEBLINK[URL] EDIT[]
hacoさんへ
ピアフの人生はハッピー・エンドだったんですよ☆
多分・・・
ピアフの自伝が出ているので
それを読まれるのも良いかもしれません(^ ^)
【2007/09/29 06:36】 NAME[satoshi] WEBLINK[] EDIT[]
観て来ました!
すごい映画でしたね~。彼女の濃い人生を一緒に駆け抜けたかのような時間でした。最後の‘水に流して’が流れ始めたときには、おなかの底からあついものがこみあげてきて、震えてしまいました。歌の力ってすごいですねぇ。幸せになれそうなときに、これでもかとやってくる別離には、胸が痛くなりましたが、歌だけは最後まで彼女と一緒にいてくれたのかなぁ…。
【2007/10/06 00:32】 NAME[phoebe] WEBLINK[URL] EDIT[]
phoebeさんへ
本当に幸せになることを許されてないんじゃないか、と思わせるような人生ですよね。
それだけに彼女の歌には聴くものを離さない、魂を揺さぶる力があると思います。
「歌だけは最後まで彼女と一緒にいてくれた」
本当にそんな気がしますね(^ ^)
【2007/10/06 21:57】 NAME[satoshi] WEBLINK[] EDIT[]


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